株価の連騰記録(続伸日数)の記録ランキングです。日経平均が連続で上昇した日数(営業日数)の歴代順位になります。続伸日数が長いということは、相場がたいへん底堅いことを示しています。1位は2017年10月2日~24日に達成した16連騰です。戦後の復興期や高度経済成長、バブル経済の時代の記録も上位に入っています。スナップアップ投資顧問(代表:有宗良治氏)のレポートなどを参考に作成しました。


株価の連騰記録

日経平均の連続上昇日数ランキング(歴代)
順位 期間 続伸日数の記録
(営業日ベース)
概要、背景
1位 2017年
10月2日~
10月24日


=2010年代の緩やかな景気回復期
16日間 高度経済成長期の1960年12月21日~1961年1月11日に記録した14営業日の連騰記録を、56年9か月ぶりに更新した。 安倍政権の選挙での圧勝と米国トランプ政権下の米株高を背景に、熱狂的なムードはないものの手堅く上昇が続いた。

連騰期間中に、日経平均は2万356円28銭から2万1805円17銭に上昇。 上昇率は7.1%だった。 翌月11月7日にバブル崩壊後の戻り高値2万2666円(1996年6月26日)を超えることになるが、この連騰な重要な足場となった。

最大の材料となったのは、2017年10月22日投開票の第48回衆院選。与党の自民党が大勝し、総定数465のうち、絶対安定多数の261を大きく上回った。 公明党と合わせ与党で総定数の3分の2を確保した。

事前の世論調査でも与党有利が伝えられ、市場に歓迎ムードが出た。 同時に、緊迫していた北朝鮮情勢が沈静化。好景気が続くアメリカでは株価が史上最高値圏となった。 海外経済が堅調で企業の中間決算は好業績が期待されるなど、好材料が重なった。

こうした中で投票日を迎えた衆院選は、事前予想を上回る与党の圧勝劇となる。 安倍政権の長期化が確実となり、日銀金融緩和をはじめとする「アベノミクス」政策が継続することが明白になった。 衆院選前後の相場では従来、投票日を境に調整に転じるケースが多かったが、この時は株価がさらに突き上げられた。 政治の安定を好む海外投資家も日本株を買い進めた。

ただ、不思議と過熱ムードは起きなかった。 16営業日のうち100円超の上昇幅だったのは6日間。10円未満は2日間、10~50円未満は3日間だった。 すなわち、ずっと急ピッチの上昇だったわけではない。 日経平均の連騰期間中に、TOPIXは2度、日経500は4度、マイナスを交えた。 東証1部値値下がり銘柄数が値上がりを上回った回数も7回を数えた。

また、日経平均のチャートの日足を見ると陰線を適度に交えており、比較的、抑制の利いた足取りだった。 バブル期の高揚感にあふれていた1988年の13連騰はすべて日足陽線だったが、このときは陽線と陰線が半々だった。 朝方、高く寄っては利食い売りに伸び悩むパターンが相次いだのだ。 逆に言えば、売り物をこなしながら上げてきたことになる。 過熱していない分、反動安懸念に乏しく、かえって上昇相場の長続きにつながった面もある。
2位 1960年
12月21日~
1961年
1月11日


=戦後の高度経済成長期(岩戸景気)
14日間 池田内閣時の14連騰。 1960年(昭和35年)12月21日から1961年1月11日までの日経平均14日連続高。 半世紀以上にわたり日本の連騰記録の金字塔として輝いた。期間中の上昇率は8.9%に達した。

当時は、戦後の高度経済成長期の好景気の一つ「岩戸景気」のさなかだった。 岩戸景気といえば、経済成長率が年平均10%を超える絶頂期である。

1960年7月19日、第一次池田勇人内閣が発足した。 9月5日に自民党は所得倍増政策を打ち出し、高度経済成長路線に弾みをつける動因となった。 その後の11月20日に投票となった第29回衆院選で、自民党は296議席と社会党の145を引き離して大勝した。

12月8日にスタートした第二次・池田内閣は12月27日の閣議で、年平均7・9%の成長率やGNP(国民総生産)を1970年度に26兆円に倍増させるという目標に掲げた「国民所得倍増計画」を決定した。 池田首相は経済重視路線で知られている。 14連騰は、これが決まる6日前からスタートした。 政策期待が株高につながった。

この連騰相場は実は1961年7月18日に付けた60年代最高値の1829円74銭につながる助走局面となった。 114連騰の最終日の終値は1403.06円。反落した12日の1383円78銭をその後割り込むことなく、7月18日高値1829・74円まで駆け上がっていった。 この7月18日が天井であり、連騰最終日からその後の天井までの上昇率は30.4%に達した。
3位 1988年
2月10日~
2月27日


=バブル経済期
13日間 1987年11月に中曽根首相が退陣し、竹下内閣が発足した。 当時、中曽根内閣の下でまとまった「前川レポート」に沿って、内需拡大政策を本格的に推進されていた。 同時に、世の中のムードはバブル経済の高揚感にあふれていた。

連騰最終日終値は2万5284.87円だった。 そのまま押しらしい押しも入れず、1989年12月の最高値3万8915.87円まで突っ走った。 連騰最終日からその後の天井まで53.9%高となった。
4位 2015年5月15日~
6月1日


=2010年代の緩やかな景気回復期
12日間 バブル期以来となる10連騰に到達。さらにその後も連騰を続け、12連騰となった。1988年2月10-27日以来27年3カ月ぶりの長期連騰。 アメリカの株高と、円安進行に支えられた。

リーマンショックの大暴落以降、2009年、2013年、2014年と3度にわたる9連騰があったが、いずれも残念ながら10連騰とはならなかった。ついに4度目の正直となった。 特徴としては、騰落レシオなど各指標面の過熱感を伴わず、静かな連騰記録だった点が挙げられる。
1986年
3月1日~
3月15日


=バブル経済の胎動期
日本経済のバブルが開始したのは、1986年12月と定義されている。 86年3月の連騰は、バブル到来の予兆の一つである。

1985年9月、日本と欧米の主要国によって「プラザ合意」が決められた。 日本経済にとって歴史的な大転換となる合意である。 これにより、1ドル=250円程度だった円相場は急激な円高に向かう。 輸出企業は大打撃を受け、円高不況が懸念された。

景気後退を阻止すべく、 日本銀行は1986年1月29日、政策金利の0.5%引き下げに踏み切る。 公定歩合は5%から4.5%に低下した。 さらに、3月7日には米国との協調利下げとして4%への引き下げを実施した。

金融緩和というサポートを得て、 株式相場は円高への不安をはねのけ、 強気ムードを回復する。 1986年1月には月間でマイナスだった日経平均は、 2月に上昇に転じる。 不安感が払しょくされると、 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の陶酔感が舞い戻り、 3月の連騰につながった。
1953年
1月5日(大発会)~
1月19日


=戦後復興期
戦後の混乱のなかで、 インフレを抑制するための緊縮政策(ドッチ・ライン)が導入され、 日経平均は1950年6月には80円台まで落ち込んでいた。 ところが、朝鮮戦争の特需によって日本経済は拡大。株式ブームが発生する。 1952年末には日経平均が360円台をつけた。

年が変わって1953年、 大発会から買いが集まる。 年初から1月19日までの12連騰で、日経平均は364.89から424.96へと上昇した。 実に16%の上昇率である。

この後の1953年3月4日のスターリン・ショックによって、株価は一時的に大暴落することになる。
1952年
6月24日~
7月7日


=戦後復興期(朝鮮特需)
1950年6月から1952年7月までの3年間の朝鮮戦争による特需によって、 第2次世界大戦で壊滅的な状態となった日本経済は回復へと向かった。 いわゆる「特需景気」の最終年となった1952年は、 日経平均が167.80から362.64へと一気に倍増した記念すべき年である。

戦後初めてとなった12連騰により、日経平均は237.12から259.59まで上昇。
8位 1979年
11月22日~
12月5日
11日間 与党・自民党の内部対立(四十日抗争)が終結し、政治の不安感が払しょくされたことが好感され、連日の上昇が続いた。

10月7日の衆院選で大平首相率いる自民党が敗北。過半数を割り込んだ。 しかし、大平首相が引責辞任せずに続投を表明したことから、 反主流派の派閥(福田派、中曽根派など)が反発。別の首相候補を擁立する異例の事態となった。 こうした政治の混迷を嫌気して、日経平均は下落を続けた。

11月20日に第二次大平内閣の組閣が終了し、 政治が正常な時代に戻ると、 株価は上昇に転じた。 とはいえ、上昇ペースは緩やかであり、 連騰前に下落した分を取り戻す程度だった。

日経平均は6303.60(11月21日終値)から6507.65(12月5日終値)となり、 上昇率は3.2%。
1960年
11月1日~
11月14日
「所得倍増」を掲げる池田内閣(自民党)の是非を問う衆院選の選挙期間中の連騰。 自民党の優勢が伝えられたことを受けて、株価の上昇が続いた。

1960年春~夏の安保闘争の混乱を受けて退陣した岸首相の後を継ぎ、 1960年7月に就任した池田首相は、 「政治から経済の時代へ」と訴えた。 所得倍増計画を柱とする経済政策を打ち出す。

政治のテーマが日米安保から経済政策へ移ったことで、 社会のムードも経済重視へと転換。 10月30日公示、11月20日投票となった第29回衆院選は、 1960年代の高度経済成長の序幕となった。

日経平均は1250円06銭は1321円44銭へ上昇。 上昇率は5.7%だった。
10位 2019年
9月3日~
9月17日
10日間
1986年
8月7日~
8月20日
1982年
12月23日~
1983年
1月8日
1982年
10月30日~
11月11日
1972年
5月20日~
5月31日
1971年
12月17日~
12月28日
1961年
6月17日~
6月28日
1961年
3月23日~
4月3日
1957年
12月28日~
1月14日
1957年
6月5日~
6月15日
1954年
12月21日~
1955年
1月6日